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[bungo-baroque:00442] モーツァルト全集170CD

Subject: [bungo-baroque:00442] モーツァルト全集170CD
From: gengo@xxxxxxxxxxxxxxxxx
Date: Wed, 10 May 2006 20:54:53 +0900

北林です。

> 昨夜、yahooオークションを見たら、モーツァルト全集170CD

今日届いたので、さっそく、古楽器による演奏の交響曲から32番を聴いてい
ます。うーむ。優雅ですね。ナイーブな優雅さがあります。でも、アタックは、
鋭角的です。

その対比が面白い。

小編成のモダンオケによるマッケラスの演奏が、ずいぶんシャープなに思える、
というか、ぜんぜん時代が違って聞こえます。

モーツァルトの大家であったブルーノ・ワルターは、実は、若い頃は、モーツァ
ルトを嫌っていました。その理由は「ロココ的である」ということだったと記憶
しています。

そのワルターが、モーツァルトの本質は、ベートーベンに勝るとも劣らない男性
美にある、と感じて、あくまでもベートーベンを志向するモーツァルトを演奏し
たりもしたのでした。50年代初め、ニューヨークフィルと演奏したジュピター
などが良い例で、もうこれが限界というところまでベートーベンを志向していま
す。

この交響曲全集の演奏は、どうやらロココ的なモーツァルトを志向しているらし
いです。これは、全集単体としても販売されています。

モーツァルト:交響曲全集(11CD)
ヤープ・テル・リンデン(指揮)アムステルダム・モーツァルト・アカデミー
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1956842 ¥4,731


モダンオーケストラで長年聴き慣れている耳には、2世紀ほど向こうのモーツァ
ルトです。

弦楽器の音は、弓で弦を押さえていませんので、柔らかく、ふくよかさがありま
す。モダン弓のように元弓から先弓まで均一な音を出すことが出来ませんので、
直線的な伸びやかさは出しづらいです。でも、音の始めと終わりがとても繊細で
す。ふわっと始まってすっと消える・・・

この音は、18世紀オーケストラなどでも聴くことが出来ます。

いま、ハフナーが鳴っていますが、たとえば、オイゲン・ヨッフム/コンセルト
ヘボウの60年の演奏のような、どこまでも明るく、どこまでも伸びやかな演
奏とは違っています。そういう演奏をやろうと思っても、出来ないでしょう。

モーツァルトって、20世紀の人じゃないんだよなぁ・・・・

この音でフィガロとか聴いたら、ずいぶん違った感じがするんでしょうねぇ・・・

いまは、ピアノ協奏曲の9番が鳴っていますが、これはオケがフィルハーモニア
管です。ピアノに比して、オケの音(特に弦の音)が強すぎるように感じてしまい
ます。ピアノの Derek Han は、素晴らしいですよ。

晩年のモーツァルトは、

 音楽を考えて作っているんじゃない。
 音楽が勝手に私につきまとっているんだ。

と言ったそうですが、彼につきまとった音楽って、いったいどんなものだったん
だろう??? 20世紀スタンダードの演奏って、それから離れていたんじゃな
いのだろうか???


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| 北林達也 Tel 097-524-1661(玄珠堂)       |
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